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手紙が題材の名作漫画 心温まるおすすめ8選

 4月20日は郵政記念日。明治4年3月1日(新暦4月20日)に、日本で郵便制度が始まったことにちなんで定められました。
 そこで今回は、手紙を題材にしたおすすめの漫画を8作品ピックアップ! ドラマ化や実写映画化した人気作から、あの名作の手紙にまつわるエピソードまで……。手紙はただの紙ではなく、人と人との思いをつなぐもの。直筆で書かれたメッセージは温かみがあり、書き手の気持ちが込められています。そんな手紙を通して紡がれる物語に思いを馳せてみませんか。

手紙にまつわるおすすめ連作短編漫画

 手紙にまつわるおすすめの連作短編集を3作品ご紹介します。どこか切なく、温かい気持ちにさせてくれる作品です。

手紙物語(全1巻完結)

手紙物語

手紙物語

[オハナホロホロ]の鳥野しのが描く、無人島に持っていきたい短編集。 ―親愛なる君へ。ケッペキ症の美少年の恋[現代ファンタジー]から、お父さんの手紙がほしい盲目の子[昭和]、 宇宙で開かれる10年に1度の同窓会[SF]など、 心潤う手紙にまつわる5編を収録。 苺とアネモネ/白き使者/日雀<ひがら>/シュレディンガーの恋人/星の林に月の舟

 社会人百合の名作『オハナホロホロ』の鳥野しのが描いた、手紙をテーマにした短編集です。
 海ほたるのタイムカプセルポストをめぐる高校生の逡巡が切ない『苺とアネモネ』、1541年のイングランドを舞台にした『白き使者』、目が見えない少年と青年の交流を描いた『日雀』、手紙をめぐる推理が炸裂する『シュレディンガーの恋人』、宇宙を舞台に紙の招待状をめぐる『星の林に月の舟』など、バラエティ豊かな5作品が収められています。
 約9年間にわたり羽海野チカのアシスタントを務めていた作者による、繊細で切ない演出の数々に心が癒やされます。まさに羽海野チカ作品のような、思わず涙があふれてしまう優しい世界観の作品が読みたい方におすすめです。

恋文日和(全3巻完結)

恋文日和 (1)

恋文日和 (1)

ラブレターがもたらす恋の奇跡の物語! [LETTER1]図書室で見つけたラブレター。送り主はだれ? [LETTER2]屋上で拾った手紙から、アイツと文通が始まり!? [LETTER3]SOSの手紙は、まさか憧れのあのコから……!? [LETTER4]1通のラブレターが巻き起こす大パニック!! [LETTER5]愛する女のために偽りの手紙を書くポストマンは!? 奇才・ジョージ朝倉がラブレターをテーマにつづる、珠玉のオムニバス集!

 映画化された『溺れるナイフ』やアニメ化された『ダンス・ダンス・ダンスール』など、ジョージ朝倉による手紙をモチーフにした短編集です。2004年に映画化、2014年にドラマ化もされました。ジョージ朝倉の作品といえば、砕けた会話と濃厚でときに激しくぶつかり合う人間ドラマが見どころ。本作も初期作品ながら、情念たっぷりの恋愛が描かれています。
 図書館での秘密の手紙、屋上から放たれる紙飛行機、制服を着たまま二人でお風呂につかりあう……。手紙がモチーフでありながら、独特なシチュエーションの数々。「なんでこんなシチュエーションを思いつくの!」と思わされます。ありそうでないような甘酸っぱい恋の物語を集めた珠玉の短編集。もう一度青春のときめきを味わいたい方におすすめです。

想い出スタンプ(全1巻完結)

想い出スタンプ

想い出スタンプ

タクシー運転手・田村金造は、妻に先立たれて15年。ひとり娘の久美子(25歳)と2人、平凡だが幸せな日々を送っていた。そんな金造の家にはポストが二つある。久美子との家庭内文通のためだ。仕事柄昼夜逆転生活が多く、すれ違いの生活の中でお互いのメッセージをこのポストに入れるのだ。ある日、久美子から手紙で「お父さんに逢ってもらいたい人がいるんです」と告げられる。大事に育てたひとり娘をオトコに取られるのが耐えられず逢う事を拒否した金造だったが、何とタクシー客として久美子の彼氏を乗せてしまい…!?ヒューマンドラマ全5話を収録したほのぼの短編集。

 手紙にまつわるヒューマンドラマがつづられたおすすめの短編集です。
 1話目の『ポスト物語』は、ひとり娘を持つタクシー運転手・田村が主人公。職業柄、昼夜逆転の生活のため、家の中にポストを設置して家庭内文通を行う親子。ある日、娘の久美子から「お父さんに逢わせたい人がいるんです」という手紙が届き……!?
 素朴で優しいほのぼのとした物語から、ときには想像もつかない驚きの展開を見せる物語まで。特に少年と女性とのバスでの交流を描いた『鳩の飼い方』は、驚かされること間違いなしのラストです。人情味のある人間ドラマが好きな方におすすめです!

手紙から始まる物語のおすすめ漫画

 どこかの誰かから突然手紙が届く。差出人は肉親かもしれないし、記憶もおぼろげな友人かもしれない。それはどこかミステリアスな異常事態の始まりを意味しています。そうした手紙から始まる漫画を3作品ご紹介します。

黄昏流星群 (21)

黄昏流星群 (21)

黄昏流星群 (21)

黒岩真美、50歳・独身。彼女は25年もの間、同じマンションから同じ職場へ通う人生を送り続けてきた。男性にも縁が無いまま、寂しく50回目の誕生日を迎えたこの日、彼女を訪ねたのはセールスマンだけ。一輪のバラとケーキを持ってきたこの男に、興味を抱いた真美だが…

 『島耕作』シリーズを描き続ける名匠・弘兼憲史のもう一つの代表作! 40代以降の世代の恋愛を中心に、さまざまな人生模様を描いた短編集です。今回は21巻に収録されている『星のペンパル』をご紹介します。
 家の収納棚から見つけた、知らない男から母親への大量の手紙。母子家庭で育った小野ヒロシは、40年以上男と文通を続けていた母の秘密に驚愕します。しかも、母は相手と一度も会ったことがない様子。電話番号も交換せず、いつか子どもが大きくなったら会いましょうという約束だけを信じ、手紙だけの付き合いを続けていた二人。しかし、男は病気で目が見えなくなっていました……。
 『黄昏流星群』のなかでも特に完成度の高い一作です。手紙からはじまった男女の関係性は、読者をどこかヒッチコック風味のミステリーへと誘います。40年間手紙だけで交流していた二人の関係はどこへ向かうのか……。弘兼憲史の手紙というモチーフの扱い方にうならされること間違いなし! 漫画的なミステリーのテクニックがさえ渡った一作です。

トーマの心臓(全1巻完結)

トーマの心臓

トーマの心臓

冬の終わりのその朝、1人の少年が死んだ。トーマ・ヴェルナー。そして、ユーリに残された1通の手紙。「これがぼくの愛、これがぼくの心臓の音」。信仰の暗い淵でもがくユーリ、父とユーリへの想いを秘めるオスカー、トーマに生き写しの転入生エーリク……。透明な季節を過ごすギムナジウムの少年たちに投げかけられた愛と試練と恩籠。今もなお光彩を放ち続ける萩尾望都初期の大傑作。

 唯一無二の少女漫画家・萩尾望都の名作! 手紙からはじまる名作の一つであり、萩尾望都の初期代表作です。漫画史に残る作品として、いまだに多くの評論家により語り継がれています。
 ある雪の日、シュロッターベッツ高等中学の生徒トーマ・ヴェルナーが陸橋から転落死しました。そして、「これがぼくの愛、これがぼくの心臓の音」と書かれた、トーマからの一通の手紙が優等生ユリスモールのもとに届きます。手紙の真意とは、トーマの死の真相とは……? ドイツのギムナジウムを舞台にした本作は、少年たちの悩みや心の葛藤がみずみずしく描かれています。

 少女漫画や、特に1970年代に少女漫画を革新した「24年組」と呼ばれる作家たちの作品では、手紙は繊細な心理を表現するために用いられました。書かれた手紙を別の人物が読み上げることで、時間と位相が入り交じる複雑さを表現しています。本作も、冒頭とラストに繰り返される手紙の描写は、より重層的な時間の隔たりを表現しています。
 本編で用いられるさまざまな漫画的なテクニックは、いまだに古びることはありません。トーマの死をめぐるミステリー作品としても読める本作は、『すべてがFになる』で有名な小説家・森博嗣が小説化し話題になりました。

色の理由(全1巻完結)

色の理由

色の理由

瑞々しい感性と、細やかな心理描写で人気の新人の初連載。思春期真っ只中の中学生と教育実習生との文通によって描かれる、色にまつわる青春オムニバス!

 青春の心理を描いたオムニバス単巻完結作品!
 主人公の大学生・みつほの元に届いた手紙は、教育実習の際に受け持った少女からの手紙でした。「オセロちゃんが死にました オセロちゃんは13歳で殺されました そのことを知っている人間は私しかいません」と、冒頭から衝撃的な内容の手紙。なぜ教育実習生のみつほに手紙を書いたのか……。ミステリアスな物語の始まりに、序章から引き込まれる作品です。
 教育実習生の主人公にだけ吐露できる感情。少女の内面は、主人公との手紙のやり取りを通して深化していきます。「さみしいとは?」「心がざわつくとは?」「人を好きになるとは?」色の感じ方が人それぞれのように、出来事の感じ方も思春期の感受性により異なります。そんな当たり前のことを思い起こさせてくれる本作。大島弓子作品を想起させるような、大胆かつ繊細な言葉選びと心理描写が光る一作です。

手紙・郵便制度について勉強になるおすすめ漫画 

 手紙はどうやって送られる? 切手はどんな種類があるの? ここでは、気になる郵便制度についても触れられている漫画を2作品ご紹介します。

ヤギくんとメイさん(全3巻完結)

ヤギくんとメイさん (1)

ヤギくんとメイさん (1)

そこから手紙を出すと恋が叶う。そんな伝説を持つポストがある郵便局に配属された新人局員・山城芽依(やましろ・めい)は、そのポストから手紙を投函しようとしている女子高生に過去の自分を重ねます。――しかしそこには、こっそり女子高生を見守る怪しい男が!! 郵便局を舞台にした青春ストーリー、開幕!

 『極彩の家』『王国の子』など、個性的なタッチで独自視点のファンタジードラマを描いてきた漫画家・びっけが舞台にしたのは郵便局。新人局員の山城芽依が働くことになったのは、少し変わった郵便局。そこで働く仲間たちは、一癖も二癖もあるキャラクターばかりです。そんな郵便局に、さまざまな事件が舞い込んできます。
 限定消印やフォルムカード、全国各地の郵政限定アイテムなど、郵政に関するおもしろい知識が多く得られます。郵便局の仕事や制度について知りたい方におすすめの漫画です。 

キッテデカ(全2巻完結)

キッテデカ (1)

キッテデカ (1)

警視庁刑事部特別捜査室に勤務する刑事・前島郵雅は、筋金入りの切手マニア。敏腕でもなければ、仕事への情熱も感じられないお気楽な公務員である。何しろ、切手のことにしか興味をしめさない!!…が、その切手への情熱が、難事件の解決に役立つこともあったりして…!!切手…それは時代と文化を映す鏡。電子メールが飛び交う現代でも、切手や消印が、犯人を追い詰める手がかりになることがある!!

 『ミスター味っ子』『将太の寿司』『喰いタン』の寺沢大介による、グルメではないミステリー作品です。普段はやる気のない刑事・前島郵雅(まえじま・ゆうが)が、持ち前の切手の知識を活かして事件を解決していく変わり種のミステリー漫画。切手に押されたわずかな印のズレ、印刷エラー切手の特徴、さらには切手の裏に塗られたのりの味の違いまで。彼の元にはなぜか切手にまつわる特殊な事件ばかりが舞い込み、独自の知識で難事件を解決していきます。
 郵便に関する膨大な情報量に驚かされること間違いなし! マニアックなミステリー作品を読みたい方におすすめの作品です。

終わりに

 おすすめの手紙漫画はいかがでしたか? どれも手紙というモチーフを丁寧に扱った名作漫画ばかりです。気になった作家がいれば、ほかの作品もぜひ読んでみてください!
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