5月22日は「サイクリングの日」。今回は、年間1,000作品近く漫画を読んでいるDMMブックスの書店員が、自転車漫画の名作を8作ピックアップ。自転車に人生を賭ける男たちや、高校生たちの青春スポーツ漫画、はたまた自転車にまつわる日常エッセイ作品など、読めば自転車に乗りたくなるような作品ばかり。ぜひお気に入りの作品を探してみてください。
目次
全身全霊の戦いを描く自転車レース漫画
手に汗握るレースが魅力の自転車レース漫画を6作品ご紹介! あの巨匠・宮崎駿も激賞したあの作品や映画化もされた有名作など、名作ばかりです。
茄子
宮崎駿、高野文子など多くのクリエイターから激賞される鬼才・黒田硫黄による茄子をテーマにしたオムニバス短編集です。SF、時代劇などさまざまなジャンルの話が収められているのですが、今回はその中の1編「アンダルシアの夏」をご紹介。
物語はスペインの自転車ロードレース、ブエルタ・ア・エスパーニャが舞台。ロードレーサーの主人公が、兄とかつての恋人の結婚式当日にレースを走り抜く様が描かれています。2003年には『茄子 アンダルシアの夏』として劇場アニメが制作され、人気を博しました。
黒田硫黄の作風で目を惹くのは、大胆な描線と豪快な演出。この短編はその力量がわずかなページ数に濃密に収められており、圧巻です。お手本のように軽妙洒脱なラストも含め、最初から最後まで堪能してみてください。
シャカリキ!(全7巻完結)
2008年に映画化もされた自転車漫画の名作! 『capeta』『め組の大吾』の曽田正人の出世作です。
急で長い坂が異常に多い町に引っ越してきた負けず嫌いの主人公・野々村輝は、自転車での坂登りに挑戦していく中で自転車の魅力に目覚め、日本でも有数の自転車選手に成長していきます。
様々な題材で情熱にあふれる戦いを描く曽田正人が、自転車レースの魅力を豪快に描いています。坂バカの主人公が心臓破りを続ける展開に、読むと自転車に乗って走りたくなりますね。
リターン(全3巻完結)
自転車がとりえの真っ直ぐな少年を利用した、ロードレースの町おこし計画……。その裏には、市長が若かりし頃に抱いた屈辱を晴らすための、ある計画が隠されていました。
ロードレーサーの主人公・森山道夫と彼の住む街に赴任した市長・太田の邂逅を描いたヒューマンドラマです。過去に囚われた人間の醜い復讐心が、切なささえ覚えるほど迫真をもって描写されていきます。コミカルなキャラクターたちが放つ「心臓は神様が動かしている、だが足はおまえが動かしているッ」などの名言に胸がアツくなるのも魅力。
作者は『ダッシュ勝平』や『F―エフ―』などのアニメ化作品を生み出した、本格ストーリー漫画の名手・六田登。巧みな人間ドラマを読みたい方にぜひ。
【毎日¥0】打鐘(ジャン)(全12巻完結)
競輪レーサーの主人公・立花ワタルの戦いを描いた競輪漫画の名作です。94年には監督・黒沢清、主演・西村和彦でVシネ映画化されました。
火の玉先行を武器にグランドスラムを目指す主人公と、ライバルで天才レーサー・清原良とのギラギラした魂の戦いは、正に彼らの命の輝きそのもの。
狂気にも似た、圧倒される熱量の男たちの漫画を読みたい方にぜひおすすめの作品です。
Over Drive(全17巻完結)
『DAYS』『青のミブロ』の安田剛士による自転車ロードレース青春漫画の傑作です。
冴えない主人公・篠崎ミコトがある日、憧れの女の子・深澤さんに誘われて自転車部に入部。勉強もできない、運動も出来ない篠崎でしたが、そこで意外な才能を開花させ、ロードレースに目覚めていきます。
読者を夢中にさせるレース展開はもちろん、青春ラブコメとしての魅力も満載。「深澤さん、僕は僕に生きることの意味を教えてくれたこの乗り物が好きです」「喜びも悲しみも悔しさもすべて自転車(キミ)がくれるんだ」などの名台詞が光ります。
主人公らの繊細な心理描写に感動すること間違いなしの傑作です。
【毎日¥0】弱虫ペダル
シリーズ累計80巻を越す、大ヒット自転車漫画!
オタクの主人公・小野田坂道が自転車部に入り、坂登りのクライマーとして仲間と共に大活躍していく物語です。独自のキャラクターたちによって紡がれるレースの特殊戦法、激しいレースの駆け引きや頭脳戦などが人気を集め大ヒットし、2015年には劇場アニメ化、2016年にはドラマ化もされました。
王道のスポ根漫画を読みたいならまずおすすめの一冊です。
自転車をゆるく楽しむ日常漫画
より日常的な自転車漫画をご紹介。自転車乗りとして開眼した主人公が自転車社会をゆるく経験していく『のりりん』、爆笑必至の自転車エッセイ漫画『じこまん』の2作品をご紹介します。
のりりん(全11巻完結)
『ぼくらの』『なるたる』の鬼頭莫宏がロードバイクの魅力を描いた、ほのぼの自転車漫画です。
主人公の青年・丸子一典は、ふとしたきっかけで免停になり、ロードバイクに乗ることになります。自転車乗りを憎み、不満を垂らしていた丸子がロングライドやロードレースなど徐々に本格的な自転車乗りとして開眼していくさまに、不思議とこちらも熱中させられます。作者自身が自転車乗りだからこそ描けたディテール豊かなあるあるネタが魅力です。
一方、ラブコメや人間ドラマは鬼頭莫宏作品らしい独自のアイロニーに溢れています。『ぼくらの』を読んでいた方にもぜひおすすめの内容です。
じこまん(全3巻完結)
『オメガトライブ』や『かもめ☆チャンス』を描いてきた漫画家・玉井雪雄による、アラフォー男自転車エッセイ漫画です。作者にとってのロードバイクの意義が語られる中で、人生を味わい尽くすための金言が要所要所で飛び出します。
作者の玉井雪雄は説きます。真の幸せ、それは自己満足度が高い趣味に没頭できるかどうかにあると。そして、作者にとってのロードバイクは、一定のペースで速度を出して走り続けることで、心地よさを簡単に獲得できるスポーツ。つまり、自己満足度が極めて高い趣味なのです。
作者の人生論だけでなく、自転車趣味のハウツー本としての魅力も満載。自転車選びのためのイロハから、買うための店をどのように選ぶべきなのか、ついつい買いすぎてしまうパーツや事故の失敗談まで、自転車に凝ってみようと思っている方が知っておきたい情報が丁寧にまとまっています。
これからロードバイクをはじめたい!と意気込んでいる方にこそ、ぜひ読んでもらいたい漫画です。
終わりに
おすすめの自転車漫画特集はいかがでしたか? どれも自転車というモチーフを丁寧に扱った名作漫画ばかり。気になった作家がいれば他の漫画作品もぜひ読んでみてください!
DMMブックスには、無料で試し読みできる作品や、キャンペーン中の電子書籍がたくさんあります。無料のビューアーとアプリで簡単に読むことができるので、ぜひお試しください!
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