絵の勉強になるおすすめ教本・参考書 アニメーターを目指すあなたに向けた5選

 絵やイラストに関する悩みは尽きることがありません。それが「アニメーションの絵」となるとなおさらです。
 「アニメーターのような動きのある絵を描きたい。でもどんなレイアウトが良いかわからない」「そもそも絵コンテはどうやって読むの?」今回は、そんな悩みを抱えた方に向けて、DMMブックスで読むことができる「アニメーション」に役立つ本を5冊ピックアップしました。漫画家やイラストレーターを目指す方・絵に伸び悩みを感じている方にもおすすめの本ばかりです。
 あなたの絵をさらにレベルアップさせるため、解剖学や構図・ライティングに絵コンテ集などの良本を読んで、絵に関する悩みを解決してみましょう。

魅力的な絵を描くためのおすすめ参考書2選

 アニメーションやイラストを描くために大事なポイントの一つは、人体の構造やドローイングの方法を体得することです。絵を描くための基礎的な能力を伸ばしてくれる、おすすめの参考書を2冊ご紹介します。

スカルプターのための美術解剖学

スカルプターのための美術解剖学

スカルプターのための美術解剖学

※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列の検索、辞書の参照などの機能が使用できません。キックスターター発のスカルプターのための人体解剖学筋肉をすべて知っているとしても、形状を理解したことにはならない!見やすい画像、文字が少ないアナトミー(解剖学)の本をお探しですか?人体をモデリングするとっかかりで行き詰まってしまった?見やすくて分かりやすい資料が欲しいけど、Webを探し回るのに疲れてませんか?筋肉、骨について長々とした文章を読むのではなく、シェイプを知り、それを即座に作品に生かしたい?人間の体を簡潔に解説した、もっとも使いやすい、アーティスト向け美術解剖学のガイドブックがここにあります。本書は、主要な構造を理解するための要点を直接的かつ分かりやすいビジュアルで説明しています。美術を専攻する学生、モデラー、スカルプター、イラストレーターに、本書は実践的な基礎を提供します。これをベースに、アナトミーの知識をさらに積み重ねることができます。より手軽に、自信をもって描きたい、造形したいすべての人にお勧めします。本書では、人間の体のうち、最も重要な筋肉、働き、アクションを取り上げています。単純なアナトミーの解説から間違いやすいポイントまで、1,000点を超える図版を掲載。また、250枚を超える写真に描き加えたイラストによって、体表下の筋肉やシェイプを明らかにしています。

 人体解剖学に関する本の中でも、本書は医療用ではなく美術用に特化していることに特徴があります。
 ポージングに応じた肉体の構造を、骨格・筋肉・表面組織別にまとめるのは序の口。全身図はもちろんのこと、上半身や下半身、顔や表情といったありとあらゆるパターンで豊富に図示しています。
 ポージングや細かな部位だけでなく、年齢・性別・肥満度などの差もカバー。男女の肉体の違い・肥満度に応じたプロポーションの差・年齢に応じた人体比率の違いなども比較図が載っているなど、押さえていない要素はないんじゃないかという網羅っぷりです。
 特に片腕周りの動きに関しては、パーツごとにたくさんの画像を使って動きを解説しており、「見て」わかる解説として優れています。
 また、絵描きのためのTIPS(指は手のひらの側から見た方が小さい、鼻梁を凸状にすると女性らしい顔になる……など)も書かれてるのがうれしいポイント。
 医療用ではなく電子書籍化されている数少ない美術用の解剖図として、最初の一冊におすすめです。

リズムとフォース 第3版: 躍動感あるドローイングの描き方

リズムとフォース 第3版: 躍動感あるドローイングの描き方

リズムとフォース 第3版: 躍動感あるドローイングの描き方

人体と、そこに流れるエネルギーをとらえる’生き生きとした、魅力あるドローイングは、リズムとフォースの意識から。名インストラクター、マイケル・マテジによる定番書籍が大幅改定!※30本の日本語字幕付き動画が付属※紙面では伝わりきれない情報も、著者のドローイングを画面越しに見ることで、理解が進みますモデルを前にしたら、見るべきは「人間そのもの」です。本書は、短時間で生命のエネルギーをとらえ、ダイナミックなドローイングを描くための基本を解説した、実践ガイドです。力強いドローイングの例を示しながら、以下の方法を説明しています。・フォースとリズムを意識したドローイングによって、生命を描く・アピール(魅力)あるドローイングを描く・直線と曲線の組み合わせを利用する・簡略化したドローイングでストーリーを伝える・基本的な身体構造の知識と人体ドローイングの技術を獲得するイラスト、アニメーション、アートなど、目的や経験を問わず、短時間のドローイングでアイデアをつかみ、主張あるドローイングを描くための心構えや方法論を理解できます。本書は「FORCE: Dynamic Life Drawing: 10th Anniversary Edition (FORCE series) 3/E」(Focal Press刊、)の日本語版です。’マイケル・マテジ(Michael Mattesi):プロダクションアーティストおよびインストラクターとして、20 年を超える実績をもつ。クライアントにはディズニー、マーベル・コミック、ハズブロ、ABC、Microsoft、エレクトロニック・アーツ、ドリームワークス、ニコロデオンなどが名前を連ね、ピクサーとドリームワークスでは、インストラクターも務めている。本書は、出版されるとただちに、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの推薦図書リストに加えられた。

 本書は「フォース」という独自の概念をもとに、流れを意識したポーズの捉え方を提示してくれます。アニメーション制作者向けの書籍として高く評価されており、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの推薦図書リストに加えられました。
 理論的に何かを説明すること以上に、実際に描かれた躍動的なドローイングで強い説得力を感じさせることに重きがおかれています。流麗な線をどういう意識で描けばよいのかを、詩的な表現と実際のイラストを用いて解説しており、その点で独自性が高い本です。
 なんとなく絵が硬かったり、重心が不自然だったり、ポージングがぎこちなかったり……。解剖学を学んでもイマイチ迫力が出ない、そんな方におすすめの一冊です。自然なポーズで魅力的な絵を目指している方は必読です。

映像の手法を学べる理論書・教本2選

 実際に作られた映像作品は、効果的な演出・技法の宝庫です。映像制作の実例としてとても参考になる本を2冊ご紹介します。

Vision ストーリーを伝える:色、光、構図

Vision ストーリーを伝える:色、光、構図

Vision ストーリーを伝える:色、光、構図

伝えたいストーリーは何?どんなビジュアルで見せる!?観客を映像の世界に引き込み、主人公の感情の旅に共感してもらう画作りをするために、知っておきたいデザインの「原則」があります。ストーリーを語る画作りの原則をプロダクションデザインの巨匠ハンス・バッハ―が教えます。映画のビジュアルを構成する要素である「ライン」「シェイプ」「明度」「色」「光」「カメラ」を1つずつ順に取り上げて解説します。シンプルな要素に絞り込み、観点を1つずつかみ砕くことで、世界を見る目が養われます。シンプルな原則をあてはめ、画面をデザインしてストーリーを伝えましょう。

 この本は、「ビジュアルコミュニケーション」という考え方を元に、視覚効果を網羅的に例示してくれる本です。
 明度や焦点、彩度やフレーミングといったさまざまな要素は、見る人にどんな印象を与えるのか。陰影での感情表現や、カメラのフレーミングによる視線誘導をどう用いれば、最大限効果を発揮できるか。それらの実例を、言葉だけでなく実際のイラストを用いて示しているのが特徴的。
 映画に奥行きと視覚的力強さをもたらしているのは何か、デザイン要素を伝えたい感情と一致させるためにはどうするか等、作品作りのさまざまなヒントが得られます。
 タイトルの副題「ストーリーを伝える」からわかるように、本書は映像で物語を伝える手法についての本です。そのため、アニメーションで物語を作りたい人にうってつけの本になっています。例示がすべてイラストを用いているのもうれしいポイント。

filmmaker’s eye レンズの言語:映画のシーンに学ぶ画作りとストーリーの語り方

filmmaker’s eye レンズの言語:映画のシーンに学ぶ画作りとストーリーの語り方

filmmaker’s eye レンズの言語:映画のシーンに学ぶ画作りとストーリーの語り方

映画やドラマをもっと楽しく!ストーリーやアイデアを面白く、重層的に伝える!そのために、レンズについて知っておくべきことは何でしょう?レンズの種類、それとも被写界深度の設定方法でしょうか?ケイト・ブランシェットが「エリザベス」で伝説の女王に変貌を遂げていくレオナルド・ディカプリオが「レヴェナント」で雄大な自然に立ち向かうこうした姿はどれも、「レンズ」を通して記録されています。レンズは、ストーリーやアイデアを伝えるための「道具」です。設定方法を知ることよりも、どうすれば目的に表現が可能になるかを知ることの方が大切です。本書では、名画のケーススタディから、どのような画が、どのようなストーリーや感情、アイデアを伝えるかを学びます。そして、その裏にあるレンズテクニックを読み取ります。ショットをレンズの観点から解説した「Filmmaker’s Eye:レンズの言語」は、ストーリーやテーマ、アイデアを支え、キャラクターの感情やサブテキストを伝える画作りのテクニックを明らかにします。映画制作者であり、ニューヨーク市立大学で映画制作を教える教授でもある著者が、選りすぐりの名画からフルカラーの画像を使用して、詳細な分析と解説を加えていきます。

 印象に残るショットが映画の中にあったとします。それはどのように撮られたのでしょうか。また、どのように自分で生み出せばよいのでしょうか。本書はその答えとなるヒントを与えてくれる一冊です。
 本書は、実写映画の撮影技法について、カメラレンズの仕組みから具体的な映画のカットを例示・説明する本です。映画批評でも有名なライムスター宇多丸の推薦図書としても知られています。
 普段映画を観る中で意識しづらいモチーフ・構図・アングルなどの意図や効果をしっかり言語化するのが特徴的。『Vision ストーリーを伝える』に比べると文章での解説が多いですが、その分制作者の思考プロセスを丁寧にたどっています。
 『英国王のスピーチ』で重要なシーンにおける焦点距離の戦略、『スタンド・バイ・ミー』がノスタルジックな雰囲気を醸し出す理由は、クリストファー・ノーランの『ダークナイトトリロジー』シリーズの全編に溢れる疾走感はどこから来るのか……。
 「どうすればそれが撮れるのか」ではなく「そのショットがそこに置かれているのはなぜなのか」まで踏み込んで解説する書籍は少ないです。映画批評としても優れているので、アニメーターや漫画家を志す方だけでなく、映画の見方を学びたい人にもおすすめです。

アニメーションの設計図から学ぶ、おすすめの絵コンテ集1選

 アニメーションを描くだけでなく、実際にアニメを作るとなったら重要なのが「絵コンテ」。ここでは、おすすめの絵コンテ集を1冊ご紹介いたします。

この世界の片隅に 劇場アニメ絵コンテ集

この世界の片隅に 劇場アニメ絵コンテ集

この世界の片隅に 劇場アニメ絵コンテ集

※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。熱烈なファンを抱えるこうの史代原作の「この世界の片隅に」が、2016年11月に劇場アニメとして公開された。第二次大戦時の広島の軍都、呉を舞台に一人の女性、すずの生活を描く。戦時の生活を細密に描き、読者の圧倒的共感を博した原作内容を細部にわたって絵コンテ化。早くも名作と前評判の劇場アニメのディティールを、こうのファン、アニメファンは堪能すること請け合い!

 映画本編の緻密な設計図とも言える絵コンテ。その中でも特におすすめの一冊をご紹介します。2016年に公開されたアニメーション映画『この世界の片隅に』の絵コンテ集です。
 商業出版された絵コンテ集の中でも、本書は綿密な設定考証がコンテに描き込まれているのがポイントです。日時や天候・一瞬だけ映る人物の名前まで、映画だけではわからない膨大な情報が、絵コンテを読むとわかります。
 その他、巻末にある監督の解説メモやインタビューが、作品の読解を助けてくれるのも嬉しいポイント。原作漫画を映画にするプロセスが記録された一級の資料としても価値が高いです。
 実際の作品がどのように作られたのかの具体例として読んでいただきたい、おすすめの一冊です。

参考書を読んでスキルアップ

 今回ご紹介した教本・参考書はいかがでしたか? 実践的に使える参考書から、映画やアニメの見方が変わるものまでご紹介しました。ぜひあなたのお悩みや知的好奇心のお役に立ててみてください。
 イラストやアニメーションの良本は、イラストが豊富な反面で紙の本だとかさばってしまうのが玉に瑕。その点、電子書籍なら場所もとらず、タブレットやモニターの液晶画面でじっくり観察することができます。本記事で紹介した本以外にも、DMMブックスにはたくさんの美術資料集や絵コンテ集があるので、あなたのお気に入りの本を探して、ぜひ読んでみてください。
 DMMブックスには、無料で試し読みできる作品や、キャンペーン中の電子書籍がたくさんあります。無料のビューアーとアプリで簡単に読むことができるので、ぜひお試しください!