渚のサーメイド

渚のサーメイド（1）

• テルヤ
• KADOKAWA

事故で両親を亡くした天涯孤独な少年のワタル。そんな彼と何故かともに暮らす親代わりのメイドさんがひとり。彼女の名前はこさめといい、ワタルが小さなころからずっと変わらずそばにいる。そう、姿も変わらずずっと……。舟屋と呼ばれる家がならぶ特徴的な漁村を舞台に、永遠の愛を求める恋愛ストーリーが始まる！

　両親を失った孤独な少年・ワタルと人魚でメイドの少女・こさめは、彼が子どもの頃に結婚を誓った仲。人と人魚、いつ分かたれるかもわからない不確かな関係に不安を抱くワタルは、口約束だけではない二人だけの愛の証を模索します。
　どこか懐かしい港町を舞台に、人間と人魚の日常を描いたラブコメディです。ヒロイン・こさめの愛らしさもさることながら、孤独なワタルの感情に寄り添いながらラブストーリーを丁寧に紡ぎだしています。 愛を求める二人の、永遠の夏休みのような毎日に尊さが満載。儚くも清涼感に満ちた素敵な読みごたえがあります。

令和元年のえずくろしい（全1巻完結）

令和元年のえずくろしい

• 大山海
• リイド社

地獄のシェアハウスでまきおこる最悪の群像劇「なあ、平成の大不況に生まれて令和になったらコロナがきてよ。仕事も無くなって税金も上がって最低賃金は安いし、俺らみたいな底辺に未来はねえだろうが。欲望のままに生きて、何が悪いんだよ。」ゼロ年代から続く大阪のシェアハウス。そこでは様々な傷を抱えた若者たち十人が共同生活している。 令和元年夏。新たな二人の男女が引っ越してきた。 今日も住人たちは互いの感情をぶつけ合いながら過激な青春を謳歌していく。 搾取と分断の果てに、全てが崩壊するとは知らずに……暴力、淫蕩、怠惰、傲慢、嫉妬……地獄のシェアハウスで巻き起こる最悪の群像劇。【えずくろしい】京言葉で「不快」「あくどい」等の意。★続々重版出来＆宝島社「このマンガがすごい！2022」オトコ編第13位『奈良へ』大山海最新作

　Webコミックで話題を集めた異色作『奈良へ』の作者・大山海が描く、シェアハウス群像劇。
　2000年代から13年続いてきた大阪のシェアハウスでは、世間から少し外れた人たちが共同生活を送っています。しかし、住人はみんなひと癖もふた癖もある人ばかり。大小さまざまなトラブルが発生する中、シェアハウスに立ち退きの話が浮上したことで住人たちの間に亀裂が走り……。
　漫画で読んだこともないようなディテール、不快感を包み込むユーモア、そして終盤にかけて加速する最悪の展開は、今年一番の異色作と言っていいほど存在感を放っています。とにかく過激でえずくろしい（不快な）青春漫画を読みたい、そのような方にぜひおすすめの作品です。

空来船打払令

空来船打払令（1）

• 加藤文孝
• 講談社

時は幕末。ペリーの代わりに江戸へやってきたのは、巨大な’空来船’だった──。’蒸気’で戦う侍と天才技師のヒロインが紡ぐ、大江戸×スチームバトル！！

　江戸の空に突如、「空来船」と呼ばれる謎の巨大な船が出現。大空襲によって町に絶大な被害をもたらしますが、侍たちには対抗するすべがまったくありませんでした……。空来船の襲撃から3年後、失意の日々を絶望していた主人公の侍・円次郎の前に、魔訶職人と呼ばれる発明家の少女・花火が現れます。空飛ぶ謎の物体を倒すべく、花火が作った「蒸気刀（じょうきとう）」などの武器を手に、侍はふたたび立ち上がります。
　なんと幕末を舞台に『スチームボーイ』のようなスチームパンク世界観が展開される異色作です。世界を支配する力を持つからくり侍、完全に焼き尽くされなかった江戸に残された秘密、そして謎の敵の正体。謎が謎を呼ぶ展開にワクワクさせられること間違いなしの一作。壮大な世界観のアクション作品を読みたい方におすすめの漫画です。

かいじくんちのニラコさん

かいじくんちのニラコさん 1

• カワグチニラコ
• 秋田書店

父は『沈黙の艦隊』『空母いぶき』といった戦記ロマンで知られる漫画家かわぐちかいじ。そんな父、勇猛な母・アッコ、兄二人、そして漫画プロダクションに関わる人々との一風変わった生活を描く愉快な家族エッセイ。

　『沈黙の艦隊』『空母いぶき』などで知られる漫画家・かわぐちかいじの娘・カワグチニラコが、漫画家の娘としての日常を描いた家族エッセイです。
　男たちの壮大な大河物語を描いてきた漫画家のプライベートとはどんなものなのか。かわぐちかいじはどのように子どもたちと接していたのか、アシスタントを多数抱えた漫画プロダクションでの毎日とは……？　デビューの経緯や妻との出会い、編集者との関係性にいたるまで、赤裸々な内容が綴られています。
　漫画家の日常が娘視点で描かれ、新鮮で読み応え抜群。かわぐちかいじ作品を知らない方でも読みやすく、気軽に楽しめる作品です。